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ロンドンそしてポルトガル、2008 VdGG 

2005年、奇跡とも思えるオリジナル・メムバーでの再再(えっと…何回目だっけ?)結成を果たしたVdGGは、順調に、そして勢力的に活動を続けていたかに見えたのだが、気がつけばサックスのジャクスンが抜けていた。それでも残り3人でライヴを再開したのだがジャクスンの空白は埋めがたく、あのVdGGのサウンドが隙間だらけ。改めてジャクスンの存在を再確認させられる結果となってしまった。実は、去年(2007年)ロンドンのバービカン・シアターでジャクスン抜きのVdGGを見たのだが、ライブ・レヴューを書こうとしてもペンが進まない状態で、結局そのままになってしまった。この頃の映像は http://www.fabchannel.com/ の 2007.4.14 で見られます。
 といういきさつもあるので、今年のロンドン、クウィーン・エリザベス・ホールでのコンサートは実に不安だったのだが、ともあれ、4月2日に日本を発ちロンドンへ。
QEH 2008

QEH ticket

 クウィーン・エリザベス・ホールは、サウスバンクという文化施設が集まったテムズ川南岸地区に位置し、2005年のVdGGコンサートが行われたロイヤル・フェスティヴァル・ホールの道一つ挟んだほぼ隣にある。キャパシティもロイヤル・フェスティヴァル・ホールの2500席に対してクウィーン・エリザベス・ホールは900席。観客が少ないせいか、ロビーで見かけるファンもあの2005年の様に世界中から集まったという感じは無いし、物販コーナーもそれ程混んでは居なかった。ステイジには一段高くなった所にドラムセット。段に立てかけたギターが2本。左手にハミル用のエレクトリック・ピアノ。右手にバントン用のフットベイス付きのオルガン。

stage, 2guitars,

会場のざわめきもさめやらぬまに15分ほど過ぎてからメンバーが登場。ハミルは白のポロシャツ、イヴァンスは襟無しグレーのシャツ、バントンはダーク系開衿シャツ。それぞれの位置に着いて、バントンのオルガンがリズムを弾き始める。続いてハミルのピアノがそれに加わり、イヴァンスのシンバルが同調する。最新CD「TRISECTOR」から「Interference Patterns」の始まりだ。元々トリオで作られた曲なのでまとまっているのは当然なのだが、新生VdGGをアピールするには中々いいスタートだ。2曲目は「PRESENT」から「Nutter Alert」。

HM piano,London

1曲目でオウディアンスをVdGGの世界へと引き込んでいるので、ジャクスンのサックス不在はさほど感じられない。その分バントンがエフェクターを駆使したオルガンで頑張っているのだが、彼の微動だにしない涼しげなプレイに何ら違和感は無かった。

Evans London

Banton, London

続いてハミルがピアノから離れギターに持ち替えてチューニングを始める。客席からは相も変わらずリクエストの声がかかる。その度に「違う」「違うよ」と言っていたハミルもたまり兼ねて「もう、チューニングしているんだから…」と言い始めた。と、次に客席からかかった声に思わす無言でうなずくハミル。始まったのは「Lemmings」のイントロ。ここまでくればオウディアンスが盛り上がるのは当然で、この夜、演奏されたのは新、旧譜合わせて全10曲。アンコールの「The Childlike Faith in the Childhood's End」で、ロンドン公演は終わった。危惧されていたジャクソン不在は、取りあえずは無事通過出来たという所か。

encore, London

ショウが終わった後、ステイジに残されているハミルのセットリストを見せてもらったのだが、それぞれの曲名の後に「K」とか「G」とか書き加えてあって、多分キーボードとギター使用を間違えない様に区別してあるのかと思うと何か微笑ましくほくそ笑んでしまった。
この3日後には、いよいよポルトガルのゴーバイア・フェスティヴァルが始まる。

 ゴーバイア(GOUVEIA)は、ポルトガル北部にあるポルト空港からさらに車で3時間程東部に走った丘陵地帯。高台にあるGOUVEIAは見晴らしも良くのんびり過ごすには最適なポルトガルのヴィレッジだ。この街あげて行われるのがGOUVEIA ART ROCK 2008 FESTIVAL。アートロックと銘打っているだけあって、フェスティヴァルの出演バンドはプログレッシヴに関わらず地元のバンドBEDUINOS A GASOLEOからスウェーデンのPAR LINDH, ベルギーのANARISと云うクラシカルな雰囲気を持っているバンド、 元ザッパのMIKE KENEALLY, ご存知フランスのANGE, スイスからシアトリカルなLES REINES PROCHAINES, アメリカのレコメンバンドTHINKING PLAGUE, そしてフェスティヴァルのトリをVdGGが務めている。
VdGGは2日目の最終なので、GOUVEIAへは1日目の夕方に現地に到着。その夜はゆっくり食事と休養に務めたようだ。そして2日目。
まずポルトガル語でバンドの紹介、続いて英語で注意事項「写真撮影は2曲目まででお願いします」。これは毎回ショウの前に言われている。と言うのも、2005年のロンドン公演では、バンドがステイジに登場すると同時に会場から一斉にフラッシュがたかれ、大写真撮影会がは始まってしまい、演奏が始まってもフラッシュの雨は止まず、バンドの方も演奏に集中出来なかっただろうと思われたので、それに懲りたに違いない。ハミルはやはり白のポロシャツ。去年の日本のハミル・ソロ・コンサートでもそうだったし、最近はこの白シャツで登場する事が多い様だ。イヴァンスはロンドンとは色違いのオレンジの襟無しシャツ。バントンも黒っぽい開襟シャツだ。

GOUVEIA, band

オープニングは「Interference Patterns」。今回のツアーはこの曲で始めるのが多いようだ。そして「(In the) Black Room」「Lemmings」と続いて演奏されるのでオウディアンスとしても興奮しないわけにはいかない。ロンドンと違うのは、「Scorched Earth」、「Nutter Alert」、「Merglys III」が消えて代わりに「(In the) Black Room」、「The Sleepwalkers」、アンコールに「Still Life」が加わったという所か。

GOUVEIA, ham

GOUVEIA evans

GOUVEIA banton

ハミルはソロで日本に数回来ているので、彼のステイジを見た事がある人は多いと思うが、いつもハミル・ペースで、ヴァイオリンのステュワート・ゴードンと共演しているときでさえ、思うがままにプレイしているし、いつか血管が切れるのではないかと思われる程声を張り上げ、唸る様に歌っているのだが、今回、バンドのメムバーとしてのハミルは、ヴォイスと他の楽器とのバランスが非常に巧くとれている。感情移入過多とも思えるソロの時と比べて、歌心が歌い込まれているというか、聴いている方も素直に曲の世界に引き込まれて聴き入ってしまうのだ。先走りしてしまうハミルのピアノやギター演奏にしても、バントンの正確な伴奏が補正し、イヴァンスのドラミング、シンバルワークで、サウンドに深みが加わり音が広がっていく。昔、VdGGを見た時は、途中でバントンがキーボードから離れ、ベイス・ギターを弾く場面もあったのだが、今回はフットベイスにエフェクトサウンズも操作しなければならないので、足も手も動かし続けて、それでもほとんど無表情ともいう風に演奏していた。異を唱えるファンもいるが、いずれにしても、オウディアンスは熱狂し、トリオVdGGの誕生を確認したツアーだった。(GOUVEIA ART ROCK 2008 FESTIVALのレポートは後日アップする予定です。少々お待ち下さい。)
 4月3日ロンドン公演、6日のポルトガル/GOUVEIA ART ROCK 2008 公演のセットリストは "Ex-ex" Peter Hammill ブログ  inVerse.exblog.jp http://inverse.exblog.jp/ で、詳しくご覧になれます。

GOUVEIA, encore

 6月27-30日にいよいよVdGGの日本初来日が決まった。ゴーバイアにはバンドメムバーも加え6人のロード・クリューで来ていたVdGGだが、日本にもサウンド担当、ステイジ担当含めほぼ同じ規模のクリューで来日するそうなので、聴き応え、見応えのするパフォーマンスを見せてくれるに違いない。既にティケットを手にしているファンの方々も多いと思うが、まだ入手していない方は27日(金)は少々残っている模様。また、30日(月)が追加され、さらにこの日は公演の後特別イヴェントとして、バンドメンバー全員との交流・サイン会があるそうだ。「来日公演記念写真集」も発売されるとの事。

公演についての詳細は、
http://www.bigstream.co.jp/artist/0806_vdgg/index.html

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久々のロンドン、久々のVdGG 

 これといったイヴェントも無いまま過ごしていたら早5月になってしまった。今年の5月にはロンドンでヴァン・ダー・グラァフ・ジェネレイターの再々結成コンサートがある。で、行って来ました。

2005VdGGticket

 しばらく海外には出ていなかったので今回は十数年ぶりのロンドン訪問になる。
私の知っているロンドンは70年代の労働党政権下のイギリスで、「揺りかごから墓場まで」の有名なスローガンのもと福祉国家を目指していた頃だが、給料の半分近くを税金に取られ常にどこかでストライキが行なわれていたのが実情だった。ただ年金や失業保険等の社会保障が施行されていたので例え穴の開いたボロボロのセーターを着ていても人々はどこかのんびりしていた。79年末から80年代にかけ保守党が政権を握りサッチャーが「鉄の女」振りを発揮し福祉、教育を削り徹底した資本主義を導入したため貧富の差が広がり人々の心は保守党から離れていき、サッチャーの後を継いだメージャーも一期務めただけで政権は労働党に移ってしまった。再び福祉、教育に力を入れ始めた労働党党首のブレア首相だが丁度ロンドン滞在中に総選挙が行なわれ、議席は減ったものの労働党が三期目に突入した所だ。
 で、十数年ぶりのロンドンは……街が小奇麗になっていた。新しい高層ビルも数多く建ち、古びた鉄道駅舎も店舗が居並ぶファッション・ビルに変身し、たばこの煙臭くスス汚れた地下鉄も車両は新しく木のエスカレーターは姿を消し鉄骨むき出しのリフト(エレベイター)も見あたらなかった。しかし物価は高い。ホテルも食事も交通費も。ヴァン・ダー・グラァフ・ジェネレイターのTシャツが会場の物販で約3300円、フード付きのパーカーは約6500円。ちょっとお土産にという値段ではなくなっていた。
 話をコンサートに戻そう。とにかく世界中からファンが集っているとの情報を得ていたので早めに会場のロイヤル・フェスティヴァル・ホールに行った。2時間程前なのだが場所は確保しているもののまだ物販の店は開いていない。カフェでピーター・ハミルの日本でのオフィシャル・ウエブサイト「inVerse」のマスター宮崎氏と少し話していると側を赤いベレーを被ったクリス・ジャッジ・スミスが通り過ぎて行った。この日の昼間他の場所でCJ スミスのミニ・コンサートがあって宮崎氏も見てこられたそうだ。(詳細は宮崎氏のブログ http://inVerse.exblog.jp をごらん下さい)
2005CJS

ロビーを見回すとかなり人が集まり混雑してきた。そうこうしている内に物販も始まりすでに黒山の人だかりがしている。急いで人をかき分けTシャツをゲット。Tシャツは全部で4種類。他、フード付きのロゴ入りパーカー、キーホールダー、ピンバッジ、ポスターが売られ皆飛ぶように売れていた。
 ホールもオープンしたので会場の中へ。席はやや左寄りの前から3列目を確保していたので真ん前にヒュー・バントンが来るが、彼の陰になってドラムスのガイ・イヴァンスは見えづらい位置だ。

2005VdGGhugh

開演のアナウンス、続いて会場が暗くなると同時にどよめきと歓声。バンドがステイジに現れる前から既に興奮状態だ。ン、何かがおかしい? いつもと違う???! メムバーの姿が見えると同時にプレス、それとカメラを持ったファンがステイジ前に殺到。入場の際カメラも録音もノーチェックだったので皆が持参したカメラのフラッシュを一斉にたいたものだから目も開けていられない程だ。1曲目が始まってもこの状態は収まらず係員が出てきて事態を収拾したのはもう2曲目が始まっていた。

2005VdGGhammill

ステイジ上では久々に本当に久々のVdGGなのに、紛れもなくハミル、バントン、イヴァンス、ジャクスンの4人が30年前の音そのものを目の前で演奏している。これが感激せずにいられようか。選曲もまるでヒットパレードの様に初期のアルバムから4人揃っての最後のアルバムとなる「WORLD RECORD」まで人気のある曲ばかりが次々にプレイされてゆく。彼等のニューCD「PRESENT」からは2曲しか演奏されなかったのが意外だったが、最近イギリス・ヴァージンからVdGGの初期のアルバムから順次にCDが発売されているのでそのプロモーションも兼ねていたのかもしれない。

2005VdGGjaxson

バンドにインストルメンタル・パートを任せハミルは伸び伸びと声を張り上げ、またバンドがイムプロヴァイゼイションをプレイしている間はハミルが拳を振り上げリズムを取りながら舞台をウロウロ動き回るアクションを久しぶりに見られたので嬉しかった。ジャクスンは或るときはフルート、或るときはダブル・サックスと次々に持ち替えてプレイし、イヴァンスはバタバタとせわしなげにドラミングし、そしてバントンは微動だにせず涼しげにただ指先だけを目まぐるしく動かせキーボードを弾いている。

2005VdGGguy

少し残念だったのがミキシングのバランスが悪かった事だ。エンジニアほか昔のスタッフを呼び集めていると聞いていたが、初日なのでまだ勘が戻っていなかったのか後半になるとバンドの演奏にハミルのヴォイスが負けてしまっている部分もあった。しかしこういった事は場数を踏んでいく度に改良されていくので問題は無くなるだろう。(各曲それぞれのライヴ・レヴュウは宮崎氏の「inVerse」、isshee氏の「Iの飲んだくれ日記」にも詳しく書かれているのでそちらも読んでみて下さい。)

2005VdGGguy

が、やはり何かがおかしい……VdGGではなくオウディエンスの方がだ。曲が終わるごとの大喝采とスタンディング・オベイション。この仰々しい程の熱狂がどこか上ずっているのだ。だがそれも仕方の無い事。つまりこの夜のオウディエンスは殆どがイギリス以外の国から来たファン達で占められしかも彼等はVdGGをCDで聴いてはいてもライヴは見た事が無いと思われるからだ。彼等はVdGGを生で見られるという事実だけでライヴを見る前から既に半分いやそれ以上興奮し満足している。見回してみても30代~40代層が多い様に思われ、しかもカップル、または家族連れで来ている風で、つまり各国からイギリス旅行を兼ねてVdGGを見に来ている観客が多いという事だ。(そして私もその中の一人です。)

2005VdGGgroup

2時間程でショウは終わり熱狂の中アンコールは「キラー」そして「ワンダリング」。4人の年齢、体力を考えてもこれ以上の演奏は望めまい。会場にライトが灯されても皆去りがたくロビーは混雑を増すばかりなので私達は早々に引き上げたのだが、後で宮崎さんに聞くとバックステイジには200人程訪れていて異様な状態だったそうです。
 ヴァン・ダー・グラァフ・ジェネレイターはこの後イタリア、再びイギリス各地、そしてヨーロッパと次々コンサートを追加しているので多分今年末か来年あたりには来日してくれると思う。その時は是非ヴァン・ダー・グラァフ・ジェネレイターの「生」をその目で見て下さい。70年代に身も震えんばかりに感激しながら聴いたヴァン・ダー・グラァフ・ジェネレイターが30年の年を経て再び甦り動き出しています。



horike misako/堀家美沙子


POSEIDON

ごあいさつ 

日本のプログレ・レーベル、POSEIDONさんのサイトに書いていた「プログレ今昔物語」を独立させる事にしました。国内外で見聞きしたコンサート等のリポート中心に書いていきたいと思います。
「ロンドン 1975 プログレ日記」http://london1975.blog96.fc2.com/ 共々よろしくお願い致します。
                 堀家美沙子/horike misako
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